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フィフティーズ老ディーの自転車生活、夫婦でポタリング … リハビリで始めた自転車どこまでいけるかな…
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若くして急性心筋梗塞を起こした方へのメッセージ

このブログを書き始めた目的は、そもそも自分のリハビリ経験を書き残すことでした。
もし、どなたかの参考になることがあれば、幸いです。

20代から30代にかけて我武者羅に働き、ようやくある業種の仕事で花を咲かそうというときに、
猛暑日のゴルフ練習場で急性心筋梗塞を起こしてしまいました。
まだ40代に入ったばかりの頃です。

冠動脈に貼り付いていたコレステロールのプラークが突然はがれ、そこに血小板が凝集して動脈を塞いでしまうという若い世代に多いタイプの急性心筋梗塞。Jリーグの現役選手が亡くなったことがある。



不幸中の幸いだったのは、治療が早く行われたこと。
後遺障害が最小限で済みました。

2度の手術を経て、退院。

早期の社会復帰を目指して、リハビリに取り組みます。
しかしながら、最初の4年間は、芳しくありませんでした。
自宅の1階から2階まで階段で上がるのに、最低1回は休まなければならないくらいの体力しかなかったのです。
旅行に出かけても、坂道を上るには妻に後ろから腰を押してもらう必要がありました。

人並みに働くことができなくなりました。体力勝負の仕事は全く無理。
ストレス耐性も無くなってしまい、業務の重要な局面で支障をきたすように。
闘病中に、主だった仕事をいくつも失ってしまい、残ったものはわずか。
失意の日々を過ごします。

そんなとき、あるワークショップがきっかけで自転車という素晴らしい趣味と出会いました。
ロードバイクが自分の肉体には大変適していたようで、その後はリハビリが一気に進展。
心肺能力が劇的に向上して、日常生活では、あまり不自由を感じることはなくなりました。
日ごとに速く、遠くまで走れるようになっていくことが嬉しくて嬉しくて。
自転車に乗ることが楽しくて仕方がなかった時期です。

ついには、心臓にメスを入れたことさえ忘れてしまい、

「もしかしたら、健常者と同じ体力を得られるんじゃないか…」

そんな夢を見るようになりました。
こんな私でも、20代の前半までは、いっぱしのスポーツマンを気取っていて、身体能力には過剰なほどの自信があったのです。

「若く健康だった頃の自分に戻りたい…」


その夢をかなえるため、リハビリの成果を確認したいがために、ブルべへの挑戦を決意します。

※ブルべとは、公道に設定されたルートを制限時間内に自転車で走り切るスポーツ。200km、300km、400km、600kmの区分がある。年齢や性別によるレベル分けがない。



主治医は当然反対しましたが、僕の意思が固いことを感じとり、

「少しでも危険を感じたら、リタイアする勇気を持ってください」


と、背中を押してくださいました。
この一言に込められた優しさは生涯忘れません。まさしく名医の言葉でした。

もちろん、本格的なスポーツに取り組む上での医学的な前提条件をクリアしていました。

心筋梗塞の痕跡が認められるが、心不全はほとんどない。
狭心症の兆候が全くない。
血液検査に異常値が見られない。


ちょうどこの頃から医学界でも、心臓発作後は安静に務めるより、早い段階から積極的なリハビリをした方が、
圧倒的に予後が良いという新しい認識が広まっていた時期でした。


ところが、現実は厳しい。

健常者のブルべ参加者に比べれば、脆弱な肉体の持ち主である自分には、200kmを走りきるという
一番下のクラスでも過酷すぎて、なかなか達成できません。
急な坂道は極端に苦手。途中で何度も足つき休息をしなければなりません。
(そもそも、心筋梗塞を起こしたエンジンなので、それがアタリマエ)

頑張って長距離を走ってきても、途中で目が見えなくなったり、両膝をひどく痛めてしまったり、
直観的に身の危険を覚えたりと、さまざな理由で、リタイアを繰り返しました。

それでも、諦めずに挑戦を続けました。

「今回はダメだったけれど、次はきっと行けるさ!」


そんな楽観的な考え方ができたのも、自転車が好きだったからです。

そのうちに、時々は成功するようになりました。
何枚かの認定メダルを獲得できたのは、自分としてはよくやったものだと思います。

(実際、医学的な常識に照らせば、本当に大した成果なのですよ!)


さらに上のクラスへの挑戦を開始します。
幸か不幸か、その頃から公私ともに多忙になり、自転車に十分な時間を割けなくなってきました。
わずかに残った仕事を大切に育ててきた努力が実り、忙しくなってきたのです。

50代に入ると、リハビリによる能力向上の速度と、加齢による衰えの速度が逆転してしまったようで、
自転車に乗っても、走力の向上を感じられなくなってしまいました。
命をつなぐため大量の薬を飲み続けていることも、衰えを早める一因かもしれません。

家族の反対もあって、これ以上のブルべ挑戦は止めることにことにしました。
ブルべ制覇の夢はかないませんでしたが、その過程で、日常生活に不自由のない心肺能力を取り戻すことができたのですから、悔いはありません。

以上が40代前半で急性心筋梗塞を起こし、その後10年にわたってリハビリを続けた、おじさんの記録です。

心臓に限らず、内臓にメスを入れた場合、リハビリによる回復には年単位での時間がかかることが多いようです。
自分に適したリハビリ方法を見つけて、焦らず、諦めず、マイペースでリハビリを続けて下さい。
停滞している期間があっても、何かのきっかけで大いに進展することがあります。
臆さずに、様々なことに挑戦しましょう。自分が楽しめる方法が最上のリハビリかもしれません。
ただし、リハビリを続けていけば、無限に能力が向上するというものでもありません。いつかは限界に行きつきます。
限界に気が付いたら、時間をかけて、その事実を素直に受け入れましょう。
そして、長年にわたりリハビリを続けてきた自分を称えましょう!
自分に残された可能性を最大限に引き出したのだから

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プロフィール

老ディー

Author:老ディー
愛知県の真ん中あたりに在住のフィフティーズ自転車少年。
あることがきっかけで、30年ぶりに自転車の楽しさを再発見しました。
持病と上手に付き合いながら、日々マイペースで楽しんでいます。
フォーティーズの自転車女子も時々登場♪。

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